北京の日本料理店『雲隠』 2018年

東京へ帰る飛行機で偶然に知り合った姜さんからの紹介で始まりました。私はこんな風にいろんな良い方に偶然に出会う”ご縁”だけが唯一の才能な気がしています。

さて、この案件は、北京郊外のかつての軍事工場の跡地である798芸術区にある、古い建物の日本料理レストランへのコンバージョン。オーナーは30代の中国人。飲食店は初めて。建物は築40年は経っているでしょうか。あまり使われていなかったようです。最初、現場を見に行った時には、どう使っていいものか困ったな・・という第一印象でしたが、設計開始するとあっという間で、半年ほどでオープンしました。私はサインを含む外構の手直しと、インテリアデザイン、照明デザインはもちろんのこと。その他、店名『雲隠』のネーミングやグラフィックの監修、メニューの日本語訳。さらには東京合羽橋での食器、調理器具やユニフォームの買付への同行、通訳まで。本当に全ての事に関わった思い出深い案件です。

 

中庭からレストラン入口へ

道路から少し奥まったところに店の建物があります。中庭への入り口は中国風の丸い門。使われていなかった一階の入り口を隠れ家風な飲食店のエントランスとしました。

1階フロア

一般客席も全て玄関で靴を脱ぐスタイル。
日本人から見ると畳に座ってカウンターで寿司・・・は違和感がありますが、オーナーの数少ない要求の一つでした。中国でもなかなか見たことがないスタイルですが、日本に行き慣れたオーナーには、これが他店との差別化になり、単価を引き上げることができるとのこと。

1階フロア VIP用個室。寿司を握ってもらえるカウンターが一般客席から繋がっています。
個室が多いのが中国の飲食店の特徴です。カウンターと別に円卓と専用の手洗いがあるのが中国風。

2階フロア

オープンの客席を囲むように2名から10名まで様々の10室の個室を配置しています。
中国でもよく見るシンプルで簡素な日本風とはちょっと違う、華やかな雰囲気にしたかったので、正面奥を大きな壁画にしました。大きな画像データを探して金箔風の壁紙の上に現場で模写。友人の友人・・と辿るとすぐに相応しい人が見つかって「来週来て描いてくれる?幾ら必要?」と手軽に頼めるのが中国の良いところ。

鉄板焼きコーナー
2階 中個室
壁画部分
2階トイレ
2階小個室
完成まで01 既存の内装を撤去して工事開始

コの字型の建物のL字部分をレストランにする計画。1階、2階は建物の構造上、別の入り口となりました。2階入口の屋上部分はウェイティングを兼ねたテラス席に。2階の通路は小さな2、3名用の個室にする事にしました。中国ではそんな小さな個室はあまり見かけませんが、口コミを見ると「プライベート感が良い」そうです。よかった。

2階通路
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